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Tech Blog #49 【ケンタウロス】ユニコーンよりもARR重視の企業に注目!

更新日:2023年3月17日



ユニコーン・バブル?


皆さん、ユニコーン企業については、すでにご存知でしょう。 ユニコーンとは、評価額が10億ドル以上に達した未上場企業のことを指します。かつてユニコーンになる企業は、非常に希少な存在で、成功している企業の代名詞でした。ユニコーンという言葉が誕生した2013年頃は、UberやAirbnbなどの10社ほどしか存在していなかった。しかし、2022年3月時点のユニコーンの数は、世界で1,068社にも達している(CB Insights調べ)。しかも、記録的なベンチャー投資が行われた2020年から2021年にかけては、ユニコーンは120%も増加し、毎日1.5社の新しいユニコーンが誕生したというほどだ。希少性があったからこそ、伝説上の一角獣ユニコーンと呼ばれた訳だが、もはや希少性がなくなりつつある。

Source: CB Insights, Bessemer Venture Partners

また、極端なことを言えば、1人の投資家が10億ドルの評価をつければ、それだけでユニコーンは誕生してしまう。収益がごくわずかであったとしても、特定の人の期待値だけで、大きな評価がされてしまう可能性がある。事実、多くのユニコーンの売上高は100万ドル未満だという。 インフレと金利の上昇、ウクライナ戦争とサプライチェーンの混乱が、世界経済に大きな影響を与え、投資意欲が急減速している状況を踏まえると、過大評価されているユニコーンには近々危機が訪れるかもしれない。


ケンタウロス企業とは


このような背景から、Bessemer Venture Partners は、スタートアップの新たな評価指標として、年間経常収益(ARR)が1億ドルに達した未上場企業を「ケンタウロス」企業と位置付け、最も注目していくべき対象だとしている。 ケンタウロス企業は、ユニコーンとは対照的で、実績が伴う地に足のついた企業だと言っても良いだろう。ARRが1億ドルともなれば、一般的にはサブスクリプション・ユーザーが数千人以上いることになり、ケンタウロス企業は世界で約160社ほどで、ユニコーンよりも約7倍の希少価値があることになる。

Source: Bessemer Venture Partners

年間経常収益(ARR:Annual Recurring Revenue)とは

  • 毎年決まって得られる年間の収益、売上を示す。年間契約のサブスクリプション・モデル、いわゆるSaaSビジネスで重視される指標で、新規顧客獲得とその定着率、解約率などがARRの重要な指標となる。初期費用やコンサルティング費用など一次的な収益は含まれない。


クラウド 100 企業(2022年)


8月初め、ForbesがBessemer Venture PartnersSalesforce Venturesと共に、世界のクラウド企業の上位100社のランキング「2022 Cloud 100 List」を発表した。このCloud 100 Listの 70%以上にケンタウロスが含まれてしており、さらに約10%が年内中にケンタウロスに仲間入りすると予想されている。


100社に選出されたクラウド企業の評価額は、年々大きくなり続けており、2022年は前年比43%増の7,380億ドルに達している。平均評価額も74億ドルに達し、前年比で22億ドル増加している。また、最も評価額が大きいのは、フィンテック分野で1,910億ドル(26%)で、次いでデザイン/コラボレーション/ プロダクティビティ分野が1,160億ドル(16%)、データ/インフラが960億ドル(13%)となっている。


Cloud 100 Listのトップ10は、以下のような企業だ。

Source: Bessemer Venture Partners

10社だけで評価額は2,520億ドルに達し、1位のStripeは過去5回もトップを飾っている。フィンテック分野の評価額の大半をStripe1社だけで占めているので、評価額だけで活況な分野かどうかを見てしまうと見誤ってしまう恐れがある。

リストの中で、企業数が最も多い分野は、セールス/マーケティング/カスタマーサクセスの分野ということなので、むしろクラウド市場で最も勢いあるのは、同分野なのかもしれない。

Source: Bessemer Venture Partners


景気後退の今だからこそARR


さて、ここでも巨額な評価額ばかりに注目が集まるが、Cloud 100 Listにある企業の多くは、市場が冷え込み始める前に資金調達を完了してるケースが多い。今後、景気後退が鮮明になってくれば、資金調達はより困難となり、企業の本質的な価値が今まで以上に問われ始める。つまり、企業価値は必ずしも評価額に反映されるとは限らないということになるので注意が必要だ。クラウド企業においては、ARRの値を重視し、ケンタウロス(ARRが1億ドル)になるか否かを注目していくべきだとBessemer Ventureは繰り返し説いている。


Cloud 100 Listに選出された企業のうち、ケンタウロスが80%を占めていることを踏まえると、現時点においては、確実な成長が期待できるクラウド企業がCloud 100 Listには選出されていると言って良いだろう。今年Cloud 100 Listに新たに加わった以下のケンタウロス企業にも注目だ。

Source: Bessemer Venture Partners

今後、投資市場の悲観的な状態が長引けば、安定的な収益がないスタートアップは、企業運営を維持していくことさえ厳しい時代になることは明らかだ。 クラウドサービスにおいて、新規顧客の獲得と定着率、解約率などを反映したARRがいかに重要か、ケンタウロスという評価指標に注目すべきだと認識を新たにした。ユニコーン・バブルと囁かれ始めた今だからこそ、堅実なビジネスを育てていくことができる有望なスタートアップを見出すために、ケンタウロスにますます注目していきたい。


参照元:Bessemer Venture Partners

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