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Tech Blog #45 2022年はWeb3のインターオベラビリティ(相互運用性)に注目

更新日:2023年3月17日


Image Source: HackerNoon

はじめに


Web3がIT業界内で騒がれて、よく見られるキーワードになり、Buzzwordと成りつつあります。前回のTech BlogでもWeb3について解説されている通り、Web3は次世代インターネットと言える大きな動き(トレンド)で、BlockchainやDeFi(分散型金融)等に代表されるようなテクノロジーを活用し新しいインターネット形を作ろうとしております。そこで、初期のインターネットがそうであったように、今後の普及や発展の大きなカギとなるのが、そのインターオペラビリティ(相互運用性)と言われています。


今、私たちの多くは、Web2のインフラ上に構築されたアプリケーションを使って記事を読み、友人とコミュニケーションをとり、同僚と仕事をし、商品を購入しています。私たちの社会と経済を支えている技術、現在のインターネットは中央集権的であり、GAFAM(Google, Apple, Facebook(Meta), Amazon, Microsoft)に代表されるようなビッグテック企業が中央に運営されるシステムによって制御され、所有されているWeb2世代の上で動いています。このため、ハッキングや不正行為に対する脆弱性、データ保護の欠如、ビッグテックによるデータ・接続・その他のインターネットサービスの独占的所有など、いくつかの制限があります。Web3は、それら制約からこちらは前回のTech BlogにWeb 2によるプラットフォーマーによる独占の説明にて、解説されているので、ぜひ、ご一読ください。


2021年、テック業界はWeb3の大きな可能性を予見し始めました。 Web3は、所謂、「分散型オンラインエコシステム」であり、現在のインターネット・アーキテクチャをブロックチェーン技術に基づくインフラに置き換え、自律性の高い分散型ネットワークに戻す考えが見て取りれます。これらの意味するところ、① 所有権の分散化、② 改ざん者からのデータ保護、③ 仲介者なしのピア・ツー・ピアのデータや資産の交換、④ 検証可能で保証された情報源があるデータ等を可能にします。Web3は、データのオーナーシップを個人に戻し、ネットワークの民主化を押し進め、私たちの社会、ビジネス、金融システム等の仕組みを根本から変え、良い方向へ転換してくれる可能性を秘めています。



インターオペラビリティ(相互運用性)が課題


Web3基盤を担っている企業は、Ethereum、Avalanche、Polkadot、Cosmos、等のその他多数、Web3の活動を開始しています。暗号通貨で有名な、Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)を聞いたことのある読者の方も多いと思います。これらはブロックチェーン技術を使ったネットワーク基盤(プラットフォーム)と言ってもよく、それぞれ「独自」のブロックチェーン・プロトコルで、Web3の最下層に位置し、次世代のWeb3基盤を支えるため、精力的に活動しています。Web3の根幹は、ブロックチェーン技術により構成されており、これらの技術スタックがオープンソースで構成されています。つまり、これにより、誰でもコードを入手可能で、それを基に構築し、改善することができ、より良いエンドユーザー体験を生み出し易くなります。

Source: NASDAQ

これらのブロックチェーン・プラットフォーム上では、すでに多くの分散型アプリケーション(dApps)が稼働しており、利用者間のコミュニケーション、資産の取引、情報の共有、データ交換が可能で、Web3への移行を後押ししています。 しかし、ブロックチェーン・プラットフォームは、現状、残念ながら互いにサイロ化(個別に隔離分離)した状態になっています。社会になぞらえると、これらは独立した都市のように運営されており、いずれも経済活動やビジネスチャンスの中心地ですが、それらをつなぎ、強力で多様でありながら、相互間に自由に行き来できる統一された国の一部とするための「高速道路インフラ」が現在ありません。ブロックチェーンのエコシステム間で情報や資産を共有するためのシームレスで普遍的、かつ非中央集権的な方法が早急に必要とされています。これを実現しなければ、情報交換の手段が乏しいため、デジタル資産の流動性は低いままとなります。これは、ブロックチェーンにおける、インターオペラビリティ(相互運用性)とクロスチェーン(異なる網の)・コミュニケーションの欠如によって引き起こされる、ブロックチェーンにおけるいくつかの問題のうちの1つです。Web2で、そうであるように、そのうちに中央集権型に偏る傾向になり、Web3のビジョンである、真の非集権型で民主化されたWebネットワークから遠のくことに成りかねません。結局のところ、これらの問題が解決されないままでは、世界はWeb2からWeb3へ移行することは難しいと言われています。



課題を克服するために

業界のサイロ化によって引き起こされる問題を認識し、図に表している個々のブロックチェーン・プロトコルは、ユーザーがあるプロトコルから別のブロックチェーン・プロトコルへ資産やデータを共有できるよう、独自の「ブリッジ」(橋渡しをする)インターフェースの構築しており、その開発に多くのリソースと時間を割いています。非常に多くのDeFi(分散型金融)の分散アプリケーションはEthereum上で動作しているため、EthereumとTerra、Avalanche、Binance Smart Chain等、その他多くの間で、何年も掛けて次々と「ブリッジ」が構築されています。これらの「ブリッジ」は、構築するのに膨大な時間、お金、リソースがかかり、維持するのも大変で、エコシステム内の異なるチェーン間で直接、特定の資産以外のものを送るための明確な方策とアプローチが、未だ、定まっておりません。

Source: Web 3.0 Stack (IOSG VC)

構築するのに時間がかかることに加え、特定用途のみに構築された「ブリッジ」は、プロトコル間の仲介役として活用されますが、逆に中央集権的になることが多く見られます。固有の団体によって構築、所有、運営されるこれらの「ブリッジ」は、異なるエコシステム間のボトルネックとなります。管理する団体は、どのトークンをサポートし、どの新しいネットワークに接続するかを決定します。このボトルネックは、セキュリティ上の脅威や不正行為の可能性を残し、最終的には中央集権型に傾向し、資産や個人データを預けるのと同じリスクをもたらします。


また、ブロックチェーンがサイロ化したことにより、開発者はブロックチェーンのプロトコルを選択せざるを得なくなり、あるネットワークでのみ使用可能で、他のネットワークでは使用できないdAppsを構築してしまうという影響もあります。これでは、どのdAppsソリューションも大規模展開とユーザー数が制約されます。また、開発者は複数のブロックチェーンにアプリを開発・展開するためにリソースを多く費やさなければなりません。



インターオペラビリティ:Web3の未来に向けて

このような労力や時間と資金の課題から、Web3の発展には業界全体を通して共通となるインターオペラビリティが鍵となり、重要であることは言うまでもありません。インターオペラビリティに関して、普遍性、分散化、セキュリティ、およびアクセシビリティの原則を優先させる必要があります。そうすることでしか、今日のプロジェクトやユーザーを悩ませている問題を根本的には解決することは難しくなることは言うまでもありません。


共通の相互接続性を実現し、標準化されたオープンなブロックチェーン・プロトコルを開発するためには、お互いに競争し争い合うことは辞め、業界内の合意と共創・コラボレーションが不可欠です。プロトコルはユーザーの特定用途のために個々に進化し続けるべきですが、その枠を超え、プロトコル間の相互接続なしにスケールすることは望めません。これらのプロトコルを現社会の都市に例えると、都市は互いに独立して運営されていますが、繁栄するためには、都市間・近隣の要所との通信、商業、貿易、交通を可能にする必要があります。


今日、ブロックチェーンに関する話題の多くは、そのインフラ基盤とインターオペラビリティに焦点が当てられています。真のインターオペラビリティを実現することで、エンドユーザーや開発者は、複数のブロックチェーン・プラットフォームを意識することなく、シームレス、且つ、効率的にアプリケーションの構築と利用ができるようになります。ユーザーは電子メールやメッセージを送信するときや、ビデオ通話を行うときでさえ、基盤となるプロトコルの動作を考える必要はありません。このようにWeb3でも、同様な環境を目指すことが望まれます。

Source: Analyticsteps

これら、ブロックチェーン間のインターオペラビリティ問題を解決するために、いくつかのプロジェクトが進行しています。

  1. Harmony

  2. Wanchain

  3. Chainlink

  4. Hybrix

  5. Loom network

上記、トップ3のCosmos、Polkadot、Harmonyが、ブロックチェーンの相互運用性を提供するプロジェクトの代表例として挙げられています。Ethereumのようないくつかの主要プラットフォームは、Cosmosを理想的なソリューションとして採用しています。Cosmosは、ブロックチェーン間通信プロトコル:Inter-Blockchain Protocol(IBC)を2021年にリリースしました。同様にPolkadotでも提供開始されており、これらのIBCは、ブロックチェーン間通信とメッセージングを容易にします。Harmonyは、異なる暗号通貨間のインターオペラビリティを提供しています。


IBCは、独立したブロックチェーン間でメッセージ(値と情報)を中継することができる完全にオープンソースのプロトコルにより、互換性のあるチェーン間で値とデータを交換する能力を可能とし、それによってあるブロックチェーンと異なる別のブロックチェーンをシームレスにつなぎます。IBCが提供する相互運用性により、ユーザーは第三者のサービスを利用することなく、リアルタイムかつ安全に、あるチェーンのトークンと別のチェーンのトークンを直接取引することができます。

Source: IBCprotocol.org

IBCは全く新しい可能性の世界を切り開くもので、今日の最大のブロックチェーンネットワークに共通するスケーリングの問題に直面することなく、ブロックチェーンが価値や資産を交換し、互いに直接通信することを可能にします。信頼性が高く安全なモジュール間通信の上に構築されている限り、どのようなアプリケーションでもIBCを使用することができます。


取り組みとしては、良い方向に進んでいるのですが、IBCもまだ発展途上であり、まだ、これから、という状況です。先に述べました「ブリッジ」機能とは異なり、今後、どのように標準化され、普及していくのか、目が離せません。印象としては、まだ、戦国時代の様相でしょうか。



まとめ


2021年、ブロックチェーンとデジタル資産が私たちの社会の将来にとって重要な要素になることを認識するようになる年となりました。NFTが流行し、ビッグテックがメタバースを掲げ、銀行がステーブルコインと中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を行い、暗号通貨が様々な経済分野に与える影響について新しい規制当局が公聴会を開くなど、様々な動きが見られました。


2022年の今、Web3への期待が高まり、これまで以上に重要な年になると予想されます。黎明期のインターネットがそうであったように、真の意味でWeb3のビジョンを達成するためには、ブロックチェーンにおけるインターオペラビリティが重要な鍵となると思います。CosmosやPolkadot等、インターオペラビリティを推し進める様々なプロジェクトが進行しております。インターオペラビリティはWeb3がスケールし、発展するための要であり、2022年の優先度の高い注目課題となるでしょう。


References: “All about Blockchain Interoperability in 2022” https://www.analyticssteps.com/blogs/all-about-blockchain-interoperability-2022 “Why Blockchain Interoperability Matters for Web3 Adoption” https://cryptonews.com/news/why-blockchain-interoperability-matters-for-web3-adoption.htm “Interoperability must be a priority for building Web3 in 2022” https://venturebeat.com/2022/02/12/interoperability-must-be-a-priority-for-building-web3-in-2022/ “Web 3.0 Stack Modules Reconstruction and Investment Outlook” https://medium.com/iosg-ventures/web-3-0-stack-modules-reconstruction-and-investment-outlook-bd1e624c4bdb

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