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Tech Blog #21 急成長のEthereumは未来のネットワークになり得るか


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Bitcoinの成長が鈍化しはじめている一方で、2番目に大きなネットワークであるEthereumが大きく成長してきています。この1年間で、Ethereumの通貨単位である『Ether』は200ドルから一気に上昇し、先月は一時4,000ドルを超えました


では、なぜこれほど人気が出たのでしょうか? その理由をご説明する前に、まずはEthereumがどのようなもので、暗号通貨としてもっとも有名なBitcoinとの違いについて簡単に解説したいと思います。



Ethereumとは

Ethereumが誕生したのは2015年です。Bitcoinが暗号通貨を支えるP2Pのネットワークとして構築されたのに対し、Ethereumはもっと大きな概念でデザインされました。通貨システム以上の役割を担っているといえます。考え方としては、オペレーティングシステム (以下、OS)に近いです。パソコンでいえばWindows、スマートフォンでいえばAndroidやiOSに似ています。つまり、アプリケーションを構築して稼働させるプラットフォームとして稼働します。一般的なOSとの違いは、WindowsであればMicrosoftのように企業が所有および管理しているのに対し、Ehterermには特定の管理者は存在しません。また、Ehtereum Networkは『Decentralized World Computer』を謳っており、分散された世界規模のネットワークとして機能することを目指しています。



EthereumはBlockchainを利用

Bitcoin同様、EthereumもBlockchainを利用しています。では、Blockchainとはなんでしょうか。Blockchainの特徴は大別すると3つ挙げられます。

  1. Decentralization (分散)

  2. Transparency (透明性)

  3. Immutability (不変性)


1つめのDecentralizationについて、従来のデータ管理と対比してご説明します。従来のデータ管理は、どこかの企業や組織が、所有しているサーバーに、データを記録・管理・制御していました。これに対して、Blockchainは、分散型台帳と呼ばれ、Blockchain ネットワーク内で発生した取引(トランザクションともいいます)を記録し、それを参加しているユーザー全員が同一の台帳として保持します。


2つめのTransparencyですが、データがどのように変更されたのかという履歴をすべての人が閲覧可能な状態になっていることを指します。もしBlockchainを使って通貨を管理したとすると、例えば政府がいつ、どのぐらいの税金を使ったのかを、国民がリアルタイムに把握できるということになります。この特徴を活かして、Blockchainは、物流管理にもよく利用されています。


3つめのImmutabilityを端的に言うと、データの捏造や改変ができないということです。Blockchainは取引の記録を「ブロック」と呼ばれる塊に分けて保存します。それぞれのブロックには日付などに加えて、ハッシュと呼ばれるデータの内容から割り出した特殊な値を格納します。そして、このブロックを数珠つなぎにするのですが、もしブロックのデータが変更されると後続のハッシュ値との整合性がなくなり、すぐに改ざんされたことが分かるという仕組みになっています。 ※ハッシュは計算元のデータがほんの少しでも異なると計算結果としての値がずれるという特徴を持っています



BitcoinとEthereumとの違い

さて、BitcoinもEthereumもBlockchainの技術を応用しています。両者の違いは、Bitocoinが単に支払いや投機を目的にしたデジタル通貨であるのに対して、EthereumはBlockchainを利用してアプリケーションを開発することを目的としています。なお、Blockchainを使って分散化されたネットワークで動くアプリケーションをDecentralized Applications、略してDAPPS (ダップス) と呼びます。


Ethereumを使って開発された仮想通貨はEther (イーサ) と呼ばれています。では、BitocoinとEtherは同じものかというと、実は目的が異なっています。Bitocoinは、デジタル通貨としてお金もしくは投機目的で利用されるので、ゴールドに近い概念です。Bitocoinを購入する理由としては、Bitcoin自体が価値の上がる資産だと見なさられているからです。もしくは、インフレに対するリスクヘッジとしてBitcoinを保有しているという場合もあります。一方のEtherは、報奨金に近い考え方といえます。どういうことかと言いますと、EthereumはBlockchainを利用しているため、データはそれぞれのコンピューター上に保管されます。そのため、コンピューターリソースを提供してくれる人がいないと成り立ちません。そこで、コンピューターリソースの提供者に報奨金として与えられるのがEtherの主な目的です。したがって、Ethereumを購入するということは、基本的にはEhtererm Networkにアクセスするということを意味します。



Ethereum人気の理由

Ethereumの人気の理由として上がってくるのが、2つのユニークな事例です。

  1. Decentralized Finance (DeFi)

  2. Non-Fungible Token (NFT)


Decentralized Finance


Decentralized Financeは略してDeFi (ディファイ) と呼ばれています。DeFiは、従来の銀行業務を分散化したものです。実は有名な仮想通貨取引所であるCoincheckやbitFlyerは、中央集権型金融で従来の金融機関と同じ仕組みです。


対するEthereumを使ったDeFiは、分散型金融であり、国や企業が管理しない (できない) ので、例えば自分たちで好きな通貨を発行するといったことも可能です。管理者不在の仮想通貨取引所になるため、口座を持つための審査や年齢制限といったものは存在せず、また国が差止めを行おうとしても通告する相手がいないため、取引を停止させることも不可能となっています。


そのため、DeFiの需要としては、世界に17億人いると言われている銀行口座を持っていない人々や、通貨の信用度が低い国の人たちに高いと言われています。


Non-Fungible Token


もう1つの事例がBay Are Newsletter #21 でも紹介したNon-Fungible Token (NFT) です。Blockchainの改ざんできない特徴を活かし、デジタルデータにユニーク性を持たせることで価値を生み出しています。現在はデジタルアートやトレーディングカードでの利用が人気を博しています。メタ情報 ( データを説明している情報 )としてシリアルナンバーをBlockchainで埋め込むことにより、どのデジタルデータがオリジナルなのかが分かるようにしています。オリジナルは希少性があるので価格が高くなり、それ以外はレプリカなので価値が低いといった具合です。



Ethereumの課題

Etherreumの課題は2つあると思います。最大の課題は、スケーラビリティです。インターネットのようなインフラになるためには、何億人ものユーザーをサポートしなければいけませんが、今のEhterermでは残念ながら、そこまでの能力はなく、数年前からひっ迫しているとも言われています。上述したNFTの事例で、もっとも人気があるものはNBAと共同でDapper Labs社が開発した『Top Shot』ですが、実はEhterermではなく、『Flow』という別のBlockchain Networkで構築されています。Ehterermでは大量のトラフィックを処理できなかったことが理由です。


もう1つの課題は知名度がまだ低いことです。Blockchain Networkを利用したサービス自体も群雄割拠な状態であるのに加えて、Ehterermに関しても知名度が決して高いとは言えません。今後生き残るためには、どれだけのユーザーを抱え込み、コミュニティを活性化させ、知名度を上げていくか、ということが重要になってくると思います。


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