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Tech Blog #40 序章(1):今抑えておきたいWeb3



Bay Area Tech Blog #40 ・・・序章(1):今抑えておきたいWeb3              ・Web3とは              ・Web2.0の失望から生まれたWeb3              ・Web3の構成要素


Bay Area Tech Blog #41 ・・・序章(2):今抑えておきたいWeb3              ・DeFi(分散金融)              ・DAO(分散型自律組織)              ・NFT(非代替トークン)              ・おわりに


※ 長文になってしまったため、2つのニュースレターに分割しました。   続きの #41 も含めて最後までお読み頂ければ嬉しいです。



はじめに

2021年後半に最も世間を沸き立たせたバズワードと言えばメタバースでしょう。そして、NFTもまた想像を絶する金額でデジタルアートが取引され、大きな話題になりました。ビットコイン価格の高騰や暗号通貨取引所Coinbaseの上場など、何かとブロックチェーン界隈が騒がしくなってきているなと感じる1年でした。とはいえ、単に投機的な暗号資産が盛り上がっているという類の話だけではないように感じていたのも事実です。


パンデミックにより、経済的格差が健在化し、過去類を見ない失業者を出しながらも、一方で金余りによって株式市場は活況を呈し、ビッグテックに代表される一部の企業は膨大な収益を叩き出し、弱者と強者を鮮明にした。コロナ対策や規制方針に対する政府と市民との対立、政治的思想や信念の違いによる社会的分断、働き方が変わって仕事や人生に対する価値観の変化にも及ぼした。


漠然とした不安とパンデミック終息への期待感が入り混じる中、これらの身の回りに起こる多くの変化が ”うねり” となって、とてつもない大きな変化になっていくような予感がする。それが、今まさにメタバースを超えるバズワードとして盛り上がっている「Web3」でしょう。


少し前からWeb3は気になっていましたが、その概念や技術的な裾野の広さや深さ、暗号資産など金銭的なものも絡むので、しっかりとWeb3の領域に踏み込んでいくのには、まだまだ心理的ハードルがかなり高い。このブログで、いち早くこの盛り上がりを伝えたいと思いながらも躊躇してしまって今に至ってしまった。


日本でもWeb3を解説する記事も出始めているので、認識は広まりつつあると思うが、全てを一気に理解するのは難しく、実践やビジネスに繋げるのは簡単ではないという前提で、今回はWeb3の基本的な概念やユースケースについて触れていきたい。



Web3とは

Web3を一言で定義するのは難しいが、「ブロックチェーン技術による分散化によって、データの透明性や信頼性が確保され、そのデータの所有権は真の個人に渡る。誰でも自由に参加可能な環境で、そこに貢献することで収益を得られる経済的インセンティブが発生する新しいインターネットの世界」という感じだろうか。


もっと端的には言えば、「非中央集権的で民主化されたWeb世界を実現しようとするムーブメント」かもしれない。


Web3.0(今は3.0よりWeb3が主流になりつつある)という言葉は、最近になって登場した訳ではない。2014年にEthereumの共同創設者のギャビン・ウッド氏が提唱しており、彼はその後2017年にWeb3 Foundation を設立し、Web3 の普及に努めている。 Web3とは何か、そのビジョン、中央集権の弊害などが語られている当時のいくつか注目された講演(動画)が日本語で文字起こしされていたので下記にご紹介します。

ここで語られているように、Web3はパンデミック以前から存在しているが、最近のブロックチェーン技術やサービスの進展に加え、ビッグテックへの不信感、労働や金銭を含む価値観の変化に呼応する形で、今Web3への注目が高まったと言える。



Web2.0への失望から生まれたWeb3

Web3を語るのに、現在と何が違うのかという観点で、歴史を振り返る必要がある。


Web1.0は、

インターネットが普及しはじめた1995年〜2004年頃を指し、Webページを閲覧することがメインで、インターネットアクセスも低速のダイヤルアップ回線で、今のように画像や動画を自由に投稿するような相互接続性がなかった時代だ。しかし、HTTPやTCP/IPに代表されるオープンソースやプロトコルにより、簡単に世界中と繋がることが出来ると大きな期待が広がった。


Web2.0は、

2005年頃から現在に至るインターネット環境を指している。2001年にドットコムバブルが弾けた後、インターネットへの過大な期待と疲弊感が漂う中、オープンソース運動の支持者だったティム・オライリー氏が「Web2.0」を提唱した。 ブログやソーシャルメディアの台頭、Wikipediaのような集合知の発達、膨大な情報へのアクセス、ロングテールを含む顧客欲求を満たすWebサービスは、巨大なプラットフォームへと進化していった。2007年にはiPhoneが登場により、利便性はますます向上し、我々はWeb2.0の恩恵を大いに受けている。


では、現状の課題とは何か?

Web2.0を体現してきたビッグテック、いわゆるGAFAに代表されるプラットフォーマーによる極端な寡占状態を生み出してしまったことである。

  • プラットフォーマーが膨大な個人情報やデータを独占することで、プライバシーを侵害したり、不透明なルールやアルゴリズムによって、偏見やフェイク情報を助長し、社会的分断や健康被害を生み出している。

  • プラトフォーマーへ利益を誘導しているはずのクリエターやインフルエンサーへの報酬は小さく、コンテンツの所有権もプラットフォーマー側にあるという。ある日プラットフォーマーがサービスを停止するとなれば、そこに上がっているコンテンツは失われ、一生懸命築き上げたフォローワーとの関係性までも一瞬にして失われる。

  • 強大化したプラットフォーマーは、自らの利益を優先し、エコシステムの中でも容赦ない利害相反も起こす。分かりやすい例では、Amazonはマーケットプレイスで人気の出た商品と同じような商品を作り、自社ブランドとして売り出すことがよくある。他にもサードパーティ連携していたサービスと類似のサービスを自社で提供し始めたり、場合によっては競合排除の目的で買収を行う。このような行為は、新たなイノベーションの芽を摘んでいると言われる。

つまり、現在のインターネットは、極度の中央集権化が進み、利用者の権利や経済的不均衡が著しく、社会的な影響が許容できなくなってきている状態であり、そこからWeb3という新たな理念や価値に基づくインターネット世界へ変化していく必要性に迫られているといって良いのではないでしょうか。




Web3を構成する要素

Web2.0の権力構造を民主化するためには、オープンな分散型ネットワークを構成し、所有権と経済的インセンティブをもたらすブロックチェーンの利用が前提となります。

ブロックチェーン(分散型台帳)とは、

暗号技術を用いて、不特定多数のP2P取引の履歴(ブロック)を共通の台帳に記録し、相互の合意(コンセンサスアルゴリズム)に基づいて取引情報が正しいことを保障する仕組み。中央集権的な管理者は存在せず、分散されたチェーン上にデジタル資産や取引情報が記録されているため、透明性があり、理論上改ざんや不正操作が困難な技術です。


Web3時代におけるブロックチェーンの重要性を端的に表現しているものとして、2016年にUnion Square Venturesのジョエル・モネグロ氏が説いた 「Fat Protocol(ファット・プロトコル)」という概念が、今でもとても腑に落ちる。


Web2.0の時代は、プロトコルレイヤー(HTTP、FTP、SMTPなど)は、ほとんど価値を獲得できない薄いレイヤーでした。一方で、その上にアプリケーションレイヤー(GAFAなど)が存在し、ここが巨大な価値を生み出して富を独占した。 Web3におけるブロックチェーンの位置付けは、これとは正反対で、アプリケーションレイヤーがオープンソースで構成されるため、誰もが利用(コピー)可能なものとなり、公益性が高まる。つまり、公益性の高いプロトコルレイヤーが厚くなり、価値が高くなるという理論である。非常にブロックチェーンの価値を表現していると思う。

Source: Monegro’s Fat Protocol post on USV’s blog in April 2016


Ethereum


Web3の基盤として使用されるブロックチェーンは、Ethereum が主流であり、 Layer1(L1)と位置付けられている。 Ethereumには、自律分散的に契約実行されるスマートコントラクト(契約の自動化)の機能が備わっており、それによって構築されるDApps(分散型アプリケーション:Desentralized Application)が、Web3エコシステムを構成している。 Ethereumは、開発者のヴィタリック・ブテリン氏によってワールドコンピューターとも呼ばれおり、まさに世界中に分散配置されたノードを一つのコンピューターとして構成し、EVM(Ethereum仮想マシン)上で数千ものDAppsが開発されている。


Ethereum上のDApps開発に携わるコミュニティの人数の多さが、Ethereumの強さを支えていると言われている。


しかし、Ethereumには、スケーラビリティの問題が存在している。取引の際のトランザクション速度の遅さとその処理にかかるガス代(手数料)の高さです。


これに対して、従来のブロックチェーンとは異なるコンセンサスアルゴリズムなどを採用して、大量のトランザクションを高速かつ低コストで実現する SolanaPolkadotAvalanche などの新たなLayer1プラットフォームが台頭してきている。これらは、第4世代ブロックチェーンやEthereumキラーを呼ばれており、今後Ethereumの存在を脅かすかも知れないと言われている。


また、Ethereumでのトランザクションの遅さとガス代を回避して、サイドチェーン(Layer2)側で代行処理する PolygonArbitrumOptimism というような Layer2スケーリングソリューションも重要な役割を担っていることも理解しておきたい。


Ethereum自体もこのスケーラビリティの問題を放置しているわけではない。Ethereum2.0 と称して、コンセンサスアルゴリズムをプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)へと大きな移行を図ろうとしている。この計画は当初予定から大幅に遅延しているが、今のところ今年2022年6月末の実施を計画している。


Web3を理解するためには、まずは自分で試してみないとよく分からないという方のほうが多いだろう。まずは、Ethereumに接続するために暗号通貨ウォレットを作って、Metamaskをインストールしてみてはいかがでしょうか。 ウォレットを作ってETHアドレスを取得できれば、仮想通貨やNFTの管理、送金、受け取りなどが可能になる。これで、従来のようにFacebookやGoogleのアカウントに依存する形ではなく、自分自身のアイデンティティを自ら所有することになるのです。


MetaMaskは、Ethereumのほか、先述した L1プラットフォームのPolygon、Arbitrum、Optimismなどのネットワークにも対応しており、暗号通貨ウォレットとしては、非常に高いシェアを誇っている。


ここまででお読み頂きありがとうございます。 長文になってしまったため、続きは #41・・ 序章(2)からお読みください。


Bay Area Tech Blog #40 ・・・序章(1):今抑えておきたいWeb3


Bay Area Tech Blog #41 ・・・序章(2):今抑えておきたいWeb3              ・DeFi(分散金融)              ・DAO(分散型自律組織)              ・NFT(非代替トークン)            

・おわりに 

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